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mercredi 12 novembre 2008

きみは愛だ

見た目は何ということのない表現でも、いざ日本語にしようとすると、はたと困ってしまうことがあります。
 たとえば、Tu es un amour。これはどう訳したものでしょうか。
 Wordreference.com のフォーラムでこのことばの英訳について議論されています。スレッドを立ち上げたフランス人は、you're lovely じゃないし、you're a love も奇妙だと云っています。なかにはフランス語が母語のひとが you're a sweetheart の意味だと云っていたりと、ちょっと首を傾げるところもあります。これはどう考えても sweetheart という意味ではありません。ここで英訳として提案されているものでは、私は you're adorable をとります。Sweetheart じゃなくて、ここには書いていないけれども、 you're (so) sweet だといいんじゃないかな。(Wordreference.com は結構仏英・英仏のオンライン辞書サーヴィスが役に立ちます。)
 英語だと you're adorable でいいのではないかと思うのですが、日本語にするとなるとどうなるでしょう。私もこのことばを云われたことがありますが、それは気前よく手伝いをしたときなどです。おそらく相手がその手伝いを期待していなかったときに云うものでしょう。「ありがとう」と同じものではありませんが、雰囲気で云うと「本当にいいひとね」という感じではないでしょうか。私は成年の女性にしか云われたことがありませんが、成年の男性同士で云うことばではないと思います。たぶん女性同士では可能ではないのかという気がします。私は女性でも自分より年上か同年代のひとによくこのことばを云われたような気がしますが、この表現を可能にする年齢関係などもかなり微妙かもしれません。「これはいい表現だ」と日本人が喜んで真似をするにはリスクが大きい表現だと思います。
 他にはどのような場合に云われるかというと、例えば子供が学芸会でお芝居などした後で、親が子供に対して云うかもしれません。この場合は「すばらしかった」「とってもよかったよ」ということでしょう。どちらにしろ、「この表現の訳はこれです」というようなものは見つかりません。よく考えてみると、英語では you're sweet がいちばんいいような気がするので、だいたいそんな感じだと考えてみるといいと思います。
 こういう表現は、見た目だけは初歩の初歩のフランス語ですが、「きみは愛だ」と訳してもまったく逃げにさえならないので気をつけましょう。

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