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vendredi 10 octobre 2008

足をとる

 いろいろな言い回しや成句をつくる単語のなかでも、特に pied 「足」は重要なものであり、多くのおもしろい言い回しを構成します。
 たとえば pieds nickelés は「ニッケルの足」という意味にみえますが、おそらく nickelés はまちがって伝わった形で、もともとは pieds niclés という方言から来た俗語だったと思われます。これは「足が不自由だ」ということです。足が不自由だと、それを口実にして兵役逃れをすることができます。よってこの単語の形が変わった pieds nickelés は、「(不誠実なしかたで切り抜ける)怠けもの」を意味します。また、「ニッケル」の連想から、「好運」という新しい意味も生まれています。
 一方で pieds noirs 「黒い足」は「アルジェリアからの引揚者のフランス人」を意味します。この言い回しには軽蔑的な意味合いはありません。これは起源がなかなかわからない表現です。フランスとアルジェリアを結ぶ船の乗組員が裸足で船倉の炭の上を歩いていたので足が黒かったという説、フランスからの引揚者は黒い靴下をはいていたという説などがあります。この言い回しはアルジェリアで生まれたひとを意味するので、フランスで生まれたフランス人ではない「アフリカに根差すひと」を意味するとも考えられるでしょう。よってアルジェリアから引き揚げてきたフランス人は自分で「私はピエノワールだ」ということを云います。そこに誇りがあるのかどうかはわかりませんが、ともかく「黒い足」という言い方から想像されるような悪い意味はありません。
 Perdre pied は「足場を失う」ことですが、prendre pied は「(ある場所に)落ち着く、居を定める」ことです。気をつけなければならないのは、この表現によく似ている prendre son pied は性的、さらには猥褻な言い回しであるということです。この言い回しの場合は、pied はからだの部位ではなく、もともとは古い長さの単位、現代の英米では「フィート」にあたるものを意味していたと考えられます。性交において「自分のもち分をとる」のがもともとの意味だったと考えられますが、現在では「性的な快感を感じる」ことを意味します。これは非常に下品な表現です。

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