この前BSをぼんやりながめていたら、『ロシアン・ドールズ』という映画の番組予告をしていたので、L'Auberge espagnole の方はどういう邦題なのかと思ったら『スパニッシュ・アパートメント』でした。投げやりですねえ。いったいどういう義理があってフランス映画の投げやりな英題を投げやりな日本の配給者は用いるのでしょうか。投げやりに投げやりをかけても前向きにはならないと思いますけど。
Auberge espagnole は「スペインの宿」でいいんじゃないの?と思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれも決まった言い回しなのです。映画がバルセロナの話だからそう考えていなかったひともいるだろうけれど、バルセロナなら auberge catalan になりそうなものだとは思いませんか。決まった言い回しをことば遊びで映画の題名に使ってみたのですね。
この言い回しの意味は「自分でもってきたもの以外のものがないような場所、状況」というものです。スペインの宿屋では何にも出してくれないので、自分で飲み食いするものはもっていった方がいいと云われていたことからこの表現が生まれたのだそうです。アラン・レーの言い回し辞典にはモンテルランの次の例が載っています。ベートーヴェンの第九交響曲のコンサートについて書かれたものだそうです。
実際映画やコンサートに行くときに、最初からすばらしいと思い込んでしまって、何も見聞きしていないんじゃないか、という疑いを抱かせるひとは存在します。こういうひとは最初からつまらないと思い込んでいるときも同質の行動をとります。モンテルランの文章は、実際にはこのコンサートの中身は空っぽだったということを云っているのでしょうか。
アラン・レーには「自分でもっていかなければ何もないところ」の意味しか載っていないけれども、この言い回しは逆にごちゃごちゃものが散らかっている長屋のようなところのことも意味します。私はむしろこちらの意味で理解していたのですけれど、映画でもどちらかと云えばこちらの意味でしょうね。
『ロシアン・ドールズ』の方は「マトリョーシカ人形」ですね。別に比喩的な意味をここに書く必要もないでしょう。しかし日本の人間の観客は、『ロシアン・ドールズ』と云われて、マトリョーシカ人形のことだとわかるのか。うすうすそうじゃないのかと思っても、『ロシアン・ドールズ』なんて云われたら何だか自信がない、というひとが結構多いんじゃないかという気がするのですけれども。
セドリック・クラピッシュの映画なら、Un air de famille と云うのがよかった。この題名は「家族のような雰囲気」であると同時に「家族のメロディー」でもあるでしょう。
どうでもいいけど、セシル・ド・フランスってベルギー人だよ。
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Auberge espagnole は「スペインの宿」でいいんじゃないの?と思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれも決まった言い回しなのです。映画がバルセロナの話だからそう考えていなかったひともいるだろうけれど、バルセロナなら auberge catalan になりそうなものだとは思いませんか。決まった言い回しをことば遊びで映画の題名に使ってみたのですね。
この言い回しの意味は「自分でもってきたもの以外のものがないような場所、状況」というものです。スペインの宿屋では何にも出してくれないので、自分で飲み食いするものはもっていった方がいいと云われていたことからこの表現が生まれたのだそうです。アラン・レーの言い回し辞典にはモンテルランの次の例が載っています。ベートーヴェンの第九交響曲のコンサートについて書かれたものだそうです。
On y arrive extasié d'avance, y apportant comme dans les auberges espagnoles, tout ce qu'on souhaite d'y trouver.「『スペインの宿』のように、そこにあってほしいと望むものを全部自分でもちこんでいるので、みんな到着するなり最初から昂奮している」
実際映画やコンサートに行くときに、最初からすばらしいと思い込んでしまって、何も見聞きしていないんじゃないか、という疑いを抱かせるひとは存在します。こういうひとは最初からつまらないと思い込んでいるときも同質の行動をとります。モンテルランの文章は、実際にはこのコンサートの中身は空っぽだったということを云っているのでしょうか。
アラン・レーには「自分でもっていかなければ何もないところ」の意味しか載っていないけれども、この言い回しは逆にごちゃごちゃものが散らかっている長屋のようなところのことも意味します。私はむしろこちらの意味で理解していたのですけれど、映画でもどちらかと云えばこちらの意味でしょうね。
『ロシアン・ドールズ』の方は「マトリョーシカ人形」ですね。別に比喩的な意味をここに書く必要もないでしょう。しかし日本の人間の観客は、『ロシアン・ドールズ』と云われて、マトリョーシカ人形のことだとわかるのか。うすうすそうじゃないのかと思っても、『ロシアン・ドールズ』なんて云われたら何だか自信がない、というひとが結構多いんじゃないかという気がするのですけれども。
セドリック・クラピッシュの映画なら、Un air de famille と云うのがよかった。この題名は「家族のような雰囲気」であると同時に「家族のメロディー」でもあるでしょう。
どうでもいいけど、セシル・ド・フランスってベルギー人だよ。
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