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lundi 4 août 2008

不可能という文字

 フランスの Causeur というサイトのRSSをフィードしているのですが、今日 Impossible Napa français という記事があって、何の話かと思ったら、あるフランス人の富豪がカリフォルニアワイン産地のナパ・ヴァレーというところのいちばんいいブドウ園を買ったのだそうです。何とアメリカの誇る高級ビールバドワイザーはベルギー人に買収されたのだそうです。コカコーラの重役もうかうかしていられない、古いヨーロッパに気をつけろよ、なんてことを書いています。
 この記事の題名は、Impossible n'est pas français ということわざのもじりです。フランスの雑誌の記事はともかくもじりばかりです。これはナポレオンが云ったとされる「我輩の辞書に不可能という文字はない」ということばです。日本では「ナポレオンのことば」ですが、フランスではそこから来たとされることわざ風の言い回しです。「不可能はフランス語ではない」と云っています。だいたいはこの記事のように(この記事ではこのことわざそのものは使っていませんが)皮肉な意味で用いられます。とてもむりなことを「やればできる!」と云われたときに皮肉をこめた愚痴として使えることばです。日本でそういう場合に「我輩の辞書に不可能という文字はない」と云っててみても何のことかよくわかりませんが。
 時節柄、「これはフランス語で何というのだろう」と思いがちなことばに、「参加することに意義がある」というものがあります。これは "L'important, c'est de participer." と云います。「大切なのは参加することである」ということです。こう云ってみても、「参加することに意義がある」ということばとあまり意味がちがうようには思えません。クーベルタン男爵はこのことばを苦しまぎれに云ったということが云われています。
 しかし、ロミー・シュナイダー主演の映画に L'important c'est d'aimer (アンジェイ・ズラウスキー監督)という映画がありますが、この場合は「大切なのは愛することである」と「愛することに意義がある」ではずいぶん意味がちがうような気がしますね。日本語版のウィキペディアでロミー・シュナイダーを見てもアンジェイ・ズラウスキーを見てもこの映画が載っていないのだが、どういうことなのかしら。それではアルモドバルの『母の総て』の最後でオマージュをささげられている「女優を演じた女優」のなかにロミー・シュナイダーの名前が入っている意味が日本人の観客にはわからないということなのか。

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